診断基準から把握する鬱の症状【知らなきゃ損する改善術を指南】

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知っておこう、気分の病

診察

要点を押さえよう

鬱病は現在、世界的に患者数が増えている疾患です。国内に目を向けても、近年、新型の鬱病が発表され話題になる事がありました。精神面での症状は気分が落ち込むといった気分障害、何もしたくないと強く思う意欲障害、集中力や判断力が低下してしまう思考障害などがあります。このような症状は複合的に関与し合って、夜眠れなかったり、眠っても途中で目が覚めてしまう睡眠障害や食欲がなくなったり、食べる行為そのものが億劫になる摂食障害が発症します。これは精神面での障害が、神経などに影響を与えることで、身体的な側面に影響していると考えられています。鬱病の診断は医師による会話形式で進められます。鬱病などの精神疾患は、疾患の発症機序が厳密に分かっていません。そのため診断基準が患者の訴えや、医師が観察する症状になります。客観的な検査データがあまりないところが特徴で、これは他科ではあまり見られないことです。もちろん精神科においても客観的な検査データの必要性は認識されており、細かな診断基準以外に心理検査や近赤外光を使った脳の血流検査などが行われる場合もあります。鬱病の治療には、薬を使った薬物療法が基本になります。その中でも中心になるのは抗うつ薬と呼ばれるもので、脳の神経伝達物質や脳神経の受容体に働きかけることで、鬱病による脳の働きを改善します。薬物療法以外では、患者に病気や治療について理解してもらう心理教育、ストレスなどへの考え方を変えていく認知行動療法などがあります。

薬物療法の注意点

鬱病と診断されると、治療は薬物療法から始まることがほとんどです。鬱病の治療では抗うつ薬が処方の中心になるため、特にこのタイプの薬の知識が重要になってきます。抗うつ薬は、薬の効果が出るまでに2週間以上かかることが多いです。そのため、薬の効果よりも先に薬の副作用が出現します。このことを事前にしっかり患者が理解していないと、副作用が強い場合には内服拒否が起こる可能性があるのです。そのため、患者に対して薬を処方するときには十分なほど説明する必要が出てきます。また、出現する副作用ごとに速やかに副作用対策の薬を処方することで、患者が副作用に苦しむことなく、抗うつ薬を内服できるようにする必要があります。副作用の出現は個人差があるため、特に内服を開始して1週間は注意深く副作用を観察する必要があります。鬱病の治療で抗うつ薬を内服する場合、内服期間が比較的長期になります。鬱病の治療が順調に進み、うつ症状が改善してくると、患者によっては内服は必要ないと自己判断する場合があります。内服薬の中には、たしかに症状が消えた時点で内服をやめても問題ないものがあります。しかし抗うつ薬のような精神病薬は、急に薬をやめてしまうことで、思わぬ副作用が発現することがあります。鬱病において患者が治ったと感じるのは、脳の中で抗うつ薬がしっかり効いている状態と考える方が安全です。そのため、うつ症状が減った場合には、医師は抗うつ薬をどれくらい減らせるかを考えます。薬をなくせるかどうかは分からないけれど、必要最小限にすることを目標とするのです。抗うつ薬の減量ができれば、副作用も減少し全体の内服量も減少できます。